
―まずは自己紹介をお願いします
えー、はじめまして。私はパン工場を仮の姿とする治安維持のためのボランティア団体に所属していまして、街の平和を守るために日々戦っている者です。主な仕事は空のパトロールですね。バイキンのような奴が頻繁にイタズラしにくるので困ってますね。
―空のパトロールについて教えてください
毎日、規定の時間に工場の煙突から飛び出し、煙突から張られたワイ・・・、特殊な道具で街の上を飛んでいますね。頻繁に迷子を見かけますね。あと、お腹をすかせて泣いている子なんかも非常に多いのが現状ですね。もう10年以上この仕事をしていますが、ずーっと同じような状況です。いいかげん、子供達の学習能力を問題視する声もありますね。
―なぜ学習能力が問題視されているのですか?
あまり言いたくないんですが、いつも同じ子供達が同じような場所で迷子になったり、お腹を空かせているんです。それが2度や3度どころじゃないんですよね。カバみたいな子っていうか、カバがいるんですが、その子は特に酷いですね。おまえはバカかと。
―お腹を空かせた子を見つけた場合はどうするんですか?
えー、にわかには信じていただけないでしょうが、実は我々の顔は炭水化物の塊、即ちパンでできているんですよ。ですから、お腹を空かせて泣いている子がいたら顔をちぎって食べさせていますね。ちょっと痛いしグロいけど仕方ありません。それも仕事ですからね。
―バイキンのような奴について教えてください
ああ、アイツね。いつも可笑しな乗り物に乗ってるんですよね。UFOにマジックハンドみたいなのが付いたやつ。ほとんどがそれで街に乗り付けてイタズラをしたり食料を奪ったりと賊のようなことをしています。あれを自由に操るのは何気にすごいですよ。奴はニュータイプかもしれません。
たまにオレンジ色のちっちゃい魔人ブウみたいなのが一緒にいるんですが、魔人ブウを連想しちゃうとドキンとしますね。さすがに魔人ブウには勝てませんからね。
で、彼らを発見次第、僕の黄金の右とかでバチコーンってやるんですが、たまに細菌兵器とかを持ち出してきたりするし、調子が悪い時に限って現れたりするので負けることもあるんですが、なんだかんだで最終的には僕が勝ってますね。
―負けた時、子供に責任転嫁をしているという件については?
いや、あれは仕方ないですって。だって、お腹を空かせている子供がいれば自分の顔をちぎって食べさせる訳じゃないですか。僕、顔ちぎれてるんですよ?顔がちぎれた状態で戦えますか?
―しかし、子供の目の前で「顔が・・・」と言うのは如何なものかと
・・・いや。・・・その、それについては申し訳ありません。しかしね、やっぱり顔がちぎれてれば本来の力が出せないのは事実な訳ですから、ついポロっと口に出ちゃうんですよね。でも、それを聞いた子供は「自分のせいで・・・」という複雑な心境になるでしょうから以後は気をつけたいと思います。
―同僚について教えてください
ああ、同僚ね。とりあえず仲が良いというか付き合いが長いのがカレーくんと食パンくんですね。まずカレーの野郎なんですが、出番が少ないので仕方がないとも思いますが、アイツは目立つことばかり考えすぎですね。カレーを吹くんですが、これがまた当たらない当たらない。しかも数打ちゃ当たると思ってるみたいで後先を考えずに乱射するんですぐに力尽きます。燃費悪すぎです。
次に食パンですが、アイツはとにかくモテるんですよ。僕みたいにワイルドなガングロじゃなくて、ひょろひょろした薄っぺらい色白の男なんですが、何故かモテます。王子気取りですよ。こめかみから上が出っ張ってるくせに王子気取りですよ。でも、頭頂部に玉とか付けたらシルエット的には王冠みたいになりますからね。根っからの王族なんでしょうね。正直、ちょっとムカつきます。
―誰が一番強いんですか?
うーん、カレーや食パンと比べるならやっぱり僕でしょうかね。一応は主役というかリーダーというか、まあそんな感じのポジションですし。でも、僕ら以外も含めてということなら話は別ですね。
ジャム夫・・・、いや、ウチの代表の秘書的な役割のバタバタ走るちっちゃいオバちゃんがいるんですけどね、彼女が最強です。彼女の腕力とか肩はものすごいですよ。数キロはあるだろう僕らの顔(パン)を片手で軽々と投げますからね。しかも、ものすごい回転がかかってる上に放物線を描かずに一直線に飛んできますからね。おまけに精密機械のようなコントロール。ぶっちゃけ受ける時はかなり恐いっすよ。
もうね、こんなパン工場にいないでメジャーリーグ行けばいいんですよ。松坂とかそういうレベルじゃないです。彼女の投げるボールを打てる奴がいるとは思えません。まあ、それを捕れるキャッチャーがいるとも思えませんがね。
―本日はありがとうございました
はい。お疲れ様でした。







